2020年11月17日 15:00
日本や世界のSDGsをめぐる動きをPRパーソンの視点で解説する【#SDGsニュースpickup】11月号
PR総研は、SDGsの「17 Goals」にちなみ、毎月17日に情報の発信や交流を中心とした取り組みを行っています。
SNS上の誹謗・中傷や嫌がらせなどの「オンライン・ハラスメント」が日本の若年女性の間にも拡がっている。自分自身や知り合いの女性の経験として「とても頻繁」、「頻繁」と答える人が51%に達した。
出典:日本経済新聞・2020年10月31日掲載 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65646300Q0A031C2TY5000/
● 「オンライン・ハラスメント」調査結果発表、日本の若年女性の過半数が経験
10月11日の国際ガールズデーを前に、非政府組織(NGO)プラン・インターナショナルが、オンライン上での誹謗中傷や嫌がらせといった「オンライン・ハラスメント」について、日本を含む31カ国の15歳~25歳の若年女性1万4000人を対象にした調査の結果を公表しました。
新型コロナウィルスの拡大によりオンラインでのコミュニケーションの機会が増える中で『オンライン・ハラスメントはジェンダーに基づく暴力』であり、女性からオンラインでの発信機会を奪い、自らの意見を発信しリーダーになるといった能力を開花するエンパワーメントの機会を奪う事※1であるとして、関連業界・団体への提言をまとめています。
※1 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000146.000012939.html
● 「性的消費」企業へ相次ぐ批判、ハラスメントではなく”エンパワーメント”を
先日、タカラトミーやアツギの公式SNSアカウントによる投稿が「性的消費」として、相次いでニュースになりました※2。
前者は「女児に対する性犯罪を想起させる」後者は「性的な目線を感じる」投稿として批判されたのです。
特に後者については、「〇〇女子」、「〇〇ガール」、「〇〇男子」といった男女の性を際立たせた企画は、これまでメディアで頻繁に特集され、企業発信で用いられてきましたが、描写によっては「(女)性を売り物にしている」として批判の的となる事を示しています。
こうした情勢を踏まえ、時代と共に人間の価値観や企業倫理のカタチも絶え間なく変化していく中で、企業がマーケティング・ターゲットに好意的に受け止められ、さらにジェンダー平等の実現に向けた前進に貢献できるような発信はいかにあるべきか。
真摯な対応がいま求められています。
※2 参照記事 2020年11月6日 プレシデントオンライン https://president.jp/articles/-/40133?page=1
2020年11月13日 ハフポスト https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5fa09fdec5b686950031a146
● スポーツ番組やワイドショー、トーク番組も参加する大型キャンペーン。
ビジネス番組やニュース番組において、SDGs特集やキャンペーンは比較的よく見られるようになってきましたが、今回のTBSの取り組みは、これまでのような”固い”切り口ではなく、芸能ニュースを多く扱うワイドショーや、お昼のスタジオトーク番組、そしてスポーツ番組もSDGsキャンペーンに参加するというものです。
ここまで多様な番組を網羅するテレビ・キャンペーンは恐らく初めてでしょう。
「誰ひとり取り残さない」目標の達成に向け、各番組テイストに即したSDGs推進企画に注目したいと思います。
2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを目指す方針について、菅総理大臣は、政府の会合で「日本の新たな成長戦略だ」と強調し、エネルギー基本計画などの見直しを加速するよう閣僚に指示しました。
NHKほか各種報道より 2020年10月30日 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201030/k10012689211000.html
● 国民や企業・団体の行動変容をいかに促し、脱炭素社会実現に漕ぎつけるか
2050年までという長期にわたって政府の行動を「縛る」、長期方針を出したことは意義があり、大きな節目となりました。
この先総理大臣が誰に変わったとしても推進し実現していくという政府の宣言です。
もっとも、菅総理の方針自体には誰も反対はしないにせよ、総論賛成各論反対になる可能性はあります。
例えば、エネルギー問題。再生可能エネルギーを増やすことに反対はなくとも、そこに至る過程で原子力発電をどう位置付けるか、そうなると途端に賛否が分かれ、利害が対立するという状況になります。
エネルギー問題に限らず、各府省が様々な担当分野を抱えており、各論反対がぶつかり合って取り組みがスタックしないよう、相互に連携・調整を図りつつ、この脱炭素社会の実現に向け具体的に取り組んでいく必要があります。
各種報道より・ハリス氏演説全文 https://news.yahoo.co.jp/articles/a0203e15512e8fd3a99f931ca93d14155008d71a
わかりやすく、的確に、一度も視線を外すことなく見事にヴィジョンを語り切った、アメリカ史上初となる未来の女性副大統領の歴史的“勝利宣言”。
● ジェンダー平等、気候変動、平和と公正などの言及
「私がこのオフィスで最初の女性ですが、最後ではありません。なぜなら全ての少女たちが今夜の光景を見て、この国は可能性の国だということを見ているからです。そしてアメリカは我々の国の子どもたちへ、そのジェンダーに関わらず、明確なメッセージを送っています。ただ単に他の人がこれまで見たことがないという方法でも、私達があなたたちの一歩一歩に喝采していると、確信に導かれ、野望とともに夢みてほしい。」
このスピーチをLIVEで見ていて、思いがけず目頭が熱くなった女性は私だけではないと思います。
そしてハリス氏のようなリーダーが生まれようとしている国をうらやましくも感じました。
ハリス氏のスピーチは、第一義的にはジェンダー問題について自身の経験に基づいて言及されましたが、その他SDGsについて直接結びつけてはいないものの「気候変動と闘う」ことや「差別を根絶する」という言葉が明確に用いられています。
初の女性副大統領の誕生と共に、アメリカがSDGsに向けて大きく前進する可能性が感じられるスピーチでした。
共同ピーアール株式会社 総合研究所(PR総研:所長 池田健三郎)は、SDGs(持続可能な開発目標)を踏まえたCSV(経済的・社会的な共通価値創造)推進活動を行うシンクタンクです。2020年3月、(一社)日本記念日協会の認定を受け3月17日を「みんなで考えるSDGsの日」に制定しました。SDGsの「17 Goals」にちなみ、毎月17日に情報の発信や交流を中心とした取り組みを行っています。
【PR総研 オンラインプレスルーム】https://prri.kyodo-pr.co.jp/
【編集】主任研究員 藤田嘉子【発行】 所長 池田健三郎